[Spine]Spiners MeetUp vol.1を見ての感想

spine初心者の救い

Spiners Meet Upというspineのオンラインイベントがあるのをご存知だろうか。web上で日本語のspine情報が少ない中で、spineを扱う人すなわち”Spiner”の交流を深めようという試みで行われた。発起人はG2 Studiosというゲーム制作会社所属のエマール美咲さんという人で、共同企画者は株式会社Artnerというゲーム制作会社の代表 長沢誠一さんという人らしい。企画についてのいきさつはこの記事に載っている。これは個人的にドンピシャな内容で、ゲーム業界でのspineの需要、制作行程、扱われ方など知りたい情報が多く得られたのでよかった。さらにdiscordでも意見交換できる。招待URLはこちらより。ちなみにこの記事は個人的感想と備忘録用なので、ちゃんとした記事を参考にした方がよい。

【Spineアニメーター向けイベント】Spiners MeetUp vol.1

Artnerの業務紹介

動画ではまずArtnerからプレゼンが始まった。

ワークフロー紹介

Artnerのワークフローはイラストチームとアニメーションチームでくっきり作業分担がされているらしい。(割と他の会社もイラスト担当とアニメーション担当は別になっているのが主流っぽい…その方が効率がいいのかもしれない)

アニメーション制作の流れ

アニメーション制作の流れで主に2つの作業行程が紹介されている。その1は動きを全て付けてからチェックに入る。その2は動きのタイミング・基本動作・揺れものの3項目の間にチェックを挟むというもの。要は動きのチェックを要所要所で挟むか挟まないかの差であるが、当然両者にはメリットデメリットがある。”巻き戻り“(動きの修正)が発生した場合、どれだけコストがかかるかを先に考えてワークフローを組む必要がある。おそらくイラストや動きが複雑なものor突飛なものは後者のやり方でいくのではないかと推測する。ここはとても重要なポイントだ。

あと強く念押しして説明していたのが最初の動きのイメージを固める段階で、イメージを固めないまま作業を進める危険性を説いていた。これは個人的にも思い当たる節があり、「やっぱそうなんだ」と思った。最悪作り直しもあるので絵コンテは必須だと思う。

制作上の注意点

spineではシルエットが大きく変わるのと変わらないのとで制作方法が大きく変わる。でも両者とも自然さを重要視しているのは変わりないようだ。

アニメーション制作時に気をつけることとして以下を上げていた。全体的に動きに不自然さがないかが重要らしい。あとクライアントの要望するサンプルとの印象と違いがないようにすることが大事とあるが、これは巻き戻りを防ぐ為に非常に重要なポイントなのかと思う。

最後に3つの項目を念押ししていた。やはり作業前の絵コンテ、イメージは強固にすることが大事みたいだ。

G2 Studioの業務紹介

続いてG2 Studioの業務紹介に入った。

ワークフロー紹介

G2 StudioのワークフローはArtnerと多少違いがあった。クライアントからの発注が各プロジェクトメンバーに行き、その後アートチームで制作する流れらしい。アートチームではアニメーターと2Dデザイナーとエンジニアが相互にやりとりをしていて、作業分担はしつつも一つのチームとして密に情報共有をしていると思われる。エンジニアが負荷検証をしてくれるのは効率いいなと思った。

アニメーション制作の流れ

G2Studioの場合は1体分のキャラクターを制作してからチェックを入れ、その後別キャラの作成に入るとのこと。絵コンテなどは書かずに進める場合が多いらしい。

実例紹介

ワークフローの後は各社の実例紹介に入ったのだが、Artnerの上記キャラモーションは目を見張るものがあった。すごく自然な動きで生きているかのようなリアル感がある。手足は複数スキンを切り替えているらしいがその切り替えが自然で継ぎ接ぎ感が全くないのが凄い。あと制作秘話としてスカートの裏地は表地の再利用らしい。こういった容量の節約というのは大事なのだろう。

動画を見ると判るが手足の切替は切り替えがわからないぐらい自然に行われている。位置調整やサイズ調整できめ細かくやる必要があるが、クオリティにすごく差がでるところなのだと思う。あと髪やリボンを大きく揺らして立体感の演出を作るのも効果が大きいと思った。

続いてG2 Studioの実例紹介では格闘ゲームのデモを作っていた。実際の動作は動画を見た方が早い。キャラの向きの切り替え設定とかモーション設定とかが知ることができる。

デモムービーもアップされていた。動きにメリハリがあってカッコいい。メリハリにこだわれば無理やりな向き変換をせずとも柔軟なモーションを作れるのかもしれない。

研究開発α版_Art2D

セットアップ説明で、予め前後横の立ちポーズのアニメーションを作成し、攻撃モーションなどを作る際にキーを全コピーして流用すると言っていた。確かにこれは効率がいい!

質疑応答

お次は質疑応答のコーナーだった。そこで気になったことをピックアップしたい。

質問の中で作業効率の話があり、その中で動きの予備動作をカーブだけで表現するというのがあった。カーブを突き抜けさせる(マイナス値に振る)と逆の値が得られるので、弾みの表現とか作るときに便利だ。ちなみに予備動作とはアニメーション業界用語らしくここで詳しく語られている。

次は差分セットアップの方法について聞かれており、その説明があった。この内容は Spiners Meetup Vol2で詳しく説明されているのでそれを見るのをお勧めする。ひとつのボーンで横向き前向きのスキンを使いこなす方法が語られている。簡単に言うとアニメ化モード上でバインドができるようになったので、アニメ化モードでスキンの表示非表示切り替え&ボーンもしくはスキンの位置調整を行いバインドする。

次に気になったのが他2Dアニメーションツールと比べてどうかというもの。自分も気になっていた。答えは「それぞれソフトの機能の方向性が違う」というものだった。なのでLive2DよりSpineが使える!とかいうことない。

あと気になったのが参考にしているサイトは何かと聞かれて出たのが、ミソジサラリーマンという自分でキャラモーションを実演するという強者だった。エフェクトも自分でやっているとのことで、凄すぎる…

VFX umbrella cyborg. -Japanese businessman game style action 197-

個人的に注目した点

その他気になったことをピックアップしてみる。

・ゴースト機能で動きチェック
キャラの動きが自然かをチェックしたい時にこの機能をつけると前後が判るのでいいらしい。今まで存在を知らなかったので試してみたい。

・オフセット前に複製して元データ残す
何となく印象に残った。オフセットはオフセット前に戻るボタンがないので、オフセットの調整をする際に元データを残すのは基本みたいだ

・「調整」機能は便利
腕の動きを付けたけどもう少し角度を付けたい時などで調整にチェックを入れておけば、ボーンのキーを全て選択して1カ所のキーを変更すると選択したキー全てにその変更が反映される。0フレームでの変更を最終フレームにコピーする必要もなくなるはず。

・PSD&Spine上ではサイズ調整しない
Spineでのエクスポートでサイズ調整ができるので、Spine上ではオリジナルサイズ。そうすれば思わぬ所での需要によりサイズが足りないとかの心配がない。これは実務でも同じ考えなのが知れてよかった。

・直接メッシュ頂点編集は負荷が多い
これが今回一番驚いた点だ。要は直接メッシュ頂点の編集を行うと負荷が凄いらしい。なので出来るだけボーンで制御する方がいいとのこと。

・最後はクリーンアップで無駄キー無くす
無駄なキーを自動で判別して消してくれるらしい。知らなかった。

その他

動画では紹介されていなかったが、Spine素材のサイズ変更の方法を別動画で紹介していた。変更後のサイズの画像を差し替えるとSpine上ではメッシュが崩れる現象が起きるのだが、そこでcmd+Zでアンドゥするとメッシュが通常に戻るらしい。ただ、縦横比を変えない&メッシュを必ず切るのが条件だ。

Spineの素材の大きさを変える方法

まとめ

Spiners MeetUpは今後も継続してシリーズ化していくらしいので、個人的にとても嬉しい。

コメント

  1. はじめまして!
    ミソジサラリーマンと申します。
    この度はご紹介を頂きありがとうございました♪
    こちらの企画で取り上げていただいたこと、大変嬉しく思います。
    サラリーマン稼業の傍で趣味として取り組んでおりますが、もし動きのリクエストなどございましたら、私にできる範囲で対応させて頂きます。
    今後とも、よろしくお願い申し上げます。

    • MacerMemo より:

      ミソジサラリーマン様
      コメントありがとうございます!
      動画のクオリティが素晴らしいので資料としてとても貴重な存在だと思っています。
      これからも応援しています!